ロスフラワー 廃棄される花に新しい命の意味を

1年前、このお店を立ち上げると決めてから、少しずつ準備を進めていた、とある日のこと。

いつものように、自宅の観葉植物の手入れをしながら、ふと

「お花屋さんで売れ残ったお花って、どうなっているんだろう?」と疑問が浮かびました。

すぐさまネットで調べると、店舗で売れ残った花だけではなく、サイズや品質などが規格外で、販売することすら出来ないもの、花が咲き進んでしまったものなど、想像を超えた量のお花が、私達消費者の手に渡ることなく廃棄されていることを知りました。

国内で廃棄されているロスフラワーは、生産量の30%以上にのぼるそう。

現状を知り、何か出来ることはないかと考え、すぐさまお花屋さんへ向かいました。

知り合ってから15年程でしょうか。昔からお世話になっているお花屋さん。無礼にもアポも取らず突如伺った私の話を、真剣な眼差しで聞いてくださいました。

「その通りなんですよ。捨てるお花にはいつも”ごめんね” って思いながら…」

お花屋さんの優しい表情とその言葉はとても印象的で、私達の活動にとって大きな意味を与えました。

この街の近くは、クラブやバーなどが集まる高級歓楽街。そのような店舗にきらびやかに飾ってあるお花も、短い一定期間を過ぎると、回収後、その美しいまま廃棄されます。

この回収された花や、店舗での売れ残り、規格外の花たちをHannah Piyasaで引き継がせていただき、クッションカバーや、アクセサリーケースなどの草木染めの製品作り、アップサイクル、ドライフラワーなどに生まれ変わらせています。

廃棄される花に新しい命の意味を。

私達の活動は、ロスフラワーを減らすことには繋がりませんが、使う時にその命を感じることで、今ある物を大切にすること、使う愉しみを持つことに繋がれば、また新たな意味が生まれると思っています。

製品を手に取っていただいた際にはぜひ、美しいロスフラワーを想い、長く沢山使ってあげてください。

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